年度毎の収入を予測

 年度ごとの収入を予想するためにはいつ頃どんな項目でいくらぐらいの収入が発生するかという事を想定する必要があります。

 以前の収入の計算ページを、もう少し細かく年度ごとの収入に分けて考えていくという事ですが、将来のイメージができていれば、それほど難しい作業ではないと思われます。

 これまで考えた収入の種類は以下の通りですが、これに時間的な要素を加えます。早期退職の条件はこれまでと同じで57歳。60歳までは収入は減るもののフルタイムで働き、年収は300万円。

 60~65歳までは再雇用やパートに近い就労形態で働き、年収は150万円。65歳からは月20万円の年金暮らしで健康寿命の71歳までは元気に遊べる。

 71歳から82歳まで生きながらえて75歳からは医療費の負担が少し減るという想定です。ただし75歳以降に大きな病気になる可能性というのは考慮しません。

 こういった将来の時間的な要素を決めると、これまで考えてきた収入を時系列で並べることができます。結果は以下の通りです。総資産はその年度までに得られた収入の合計です。なお今回は分かりやすくするために副収入は考慮しませんでした。

年齢 イベント 収入項目 収入 総資産
57 早期退職 貯蓄 1000 1000
57 早期退職 退職金 1500 2500
58 再就職 失業給付 100 2600
58 再就職 給与 300 2900
59 就職 給与 300 3200
60 就職 給与 300 3500
61 再雇用 給与 150 3650
62 再雇用 給与 150 3800
63 再雇用 給与 150 3950
64 再雇用 給与 150 4100
65 再雇用 給与 150 4250
66 年金受給 年金 240 4490
・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・
81 年金受給 年金 240 8330

 

 いかがでしょうか?これが早期退職後に得られる収入と資産になります。もちろん個々の数字は、各家庭の人数や労働環境によって変化しますから、何回も書きますが、これはあくまで目安です。

 ただこういった表を作成すると、資産が増加していく様子がよく見えると思います。ただ残念なことに、実際には81歳時点で8000万円を越す資産があるわけでありません。

 つまりここから毎年生活費や税金保険料等のお金が減っていくわけです。つまり総資産から、その年度の支出を引き算した額が、年度末の資産という事になります。(これは企業等で行っている会計処理と全く同じだと思います)

 57歳で早期退職をして、3500万の資産があると浮かれてしまい、そのお金で300万の車を買い、海外旅行で100万を使い、日ごろの生活はそれまで通り月20万円を消費したとすると、それだけで1年に640万資産が減ります。

 さらに退職翌年度は税金や保険料が、在職中の収入額で計算されますから、場合によっては100万前後のお金が必要になります。という事は早期退職時点に3500万の資産があっても、翌年度の58歳時点では、それは2760万円に減っているという事です。

 そういった年度ごとの収支というか資産の動きを把握して、万が一その資産がマイナスの値になるような年度があったら、そのシミュレーションでは、その年度で家計は破綻するという結果になります。