初めての投資は損切り

 結局私の第1回目の投資は、一時期するすると1割ぐらい上昇しました。そこで今ならすかさず売ると思いますが、当時は「やはり自分は良い銘柄を選んだんだ。この株はもっと上がるに違いない」なんてことを考えていたため、やがて株価は下降トレンドに。

 すると下がった値を見て、「以前はあんな高い価格だったのだから、きっともまた高くなるに違いない」と思えてしまい、売ることができません。しかしこういう時は判断ミスを素直に認めてすぐに売るか、逆にじっと耐え忍んで数年間次のチャンスを待ち続けるかの選択しかありません。

 実際には売ることもできず、待つこともできず、最後は購入した株価を割り込んだまま上がる気配が見えなかったので、結局2割ぐらい下降したとことで損切り。

 ところがまあそういった行動をあざ笑うかのように、この銘柄の株価は5年後に当初の購入価格の1.5~2倍ぐらいになっていましたから、結果的には「待ち」が正しかったようです。

 しかし5年後に必ず上がるという保証があればいいのですが、実際にはさらに下がっている可能性もあるわけで、売買のタイミングというのは実に難しいなというのが、最初の教訓でした。

 特に「売り」のタイミングは難しいですね。今でも似たようなことを繰り返していますから、結局アマチュア投資家の域を出ていないと思われます。

 と同時に銘柄選びというのは難しいものなんだという事も、少しずつ分かってきました。実際問題、日本という地域に限定しても、ものすごい数の株式会社が存在し、そこから自分が思うような投資対象の企業を選んでいくというのは、本気でやったら気の遠くなるような作業だと思います。

 そう思って本やさんに行くと推奨銘柄の書かれた投資雑誌が多数目に付きます。パラパラとめくってみると、これから業績が伸びる会社、今伸びている会社、注目を浴びている産業分野、注目されている新製品等々様々な情報が溢れています。

 私自身、最初の株を買ってからは、いっぱしの投資家になったつもりで、こういった株式の雑誌を何冊も購入しましたが、よく考えてみるとそういった経費は支出となっているわけですから、それだけでも資産はどんどん減っていることになります

 その事に気がついたのは、そういった雑誌を何冊も買って、やけに書籍代が多く必要だなと思った頃からです。(さらに書いてある内容も似たようなもんだなと言うことが分かってきました)

 一方実際にそういった投資雑誌を参考にして、様々な銘柄の特徴をエクセルファイルで一覧表にして、「よし、ここから新たな銘柄選択をすれば間違いないぞ」と考えていた時期もあります。

 また会社四季報を買い込んで、暇に任せて1ページずつ見ていき、こんな名前の会社があって、こんな産業があるんだと、まったく知らない世界を覗き込んだ気にもなりました。

 しかし民間企業についての勉強になったとは思いますが、利益には結び付きませんでした。