退職者専用特別定期預金(2)

5 税金

 ただし、こういった定期預金の金利にも税金が必要になり、20%ちょっと引かれてしまいます。つまり手元に残る利息は4万円弱となります。それでも通常の預金に比べるとものすごい格差があります。

6 銀行の立場

 現状のマイナス金利政策の中では、この退職者専用特別定期預金の設定はかなり損になっているはずです。しかし銀行側の立場に立つと、退職をして資産が増えた人に口座を作ってもらえるという利点があるわけです。

 当然ながら、サービスと称して、そういった定期預金口座を開くことで、様々な金融商品の紹介が行われる場合もあります。また顧客アンケートといったことを強要?される場合もあります。

7 投資信託との組み合わせ

 例えば1000万を預金するとき、500万は定期預金、500万は投資信託の購入に充てると、定期預金の金利がさらに上がるというような設定がありました。

 表面上の利率はさらに良くなり、投資信託で儲かる可能性もあるので、資産は倍増というように考えがちですが、投資信託というのは、購入するだけで購入手数料が必要になり、その後も管理料等が元金の中から支払われます。

 つまり預金と違って、買った瞬間に損失が発生する商品です。要するに定期預金の金利は増えるかもしれませんが、その増えた分の利息は、投資信託の手数料で消えているという計算になります。

 というわけで、私は投資信託と組み合わせるような定期預金は避けたほうが良いと思っています。

8 預金をする銀行の選択

 退職金の目処がついた頃から、どの銀行に貯金をするか、実際に銀行に出向いたり、ネットで調べたりするとよいと思います。その際注意すべきことは利便性だと思います。

 私は、当初家から半径2km以内の銀行をリストアップし、さらにそれぞれの銀行について、預金利率、優遇利率の期間、受付日、預金金額の基準等を一覧表にしました。

 結局その中から二つの銀行をピックアップ。いずれも以前から利用履歴がある銀行でした。一つは職場の給料振り込みで使っていた銀行、もう一つが、一時期外貨預金をやってみようと考え口座登録をしていた銀行です。

 ちなみにいくら率が高いと言っても自宅から遠いと、その手続きに交通費が必要になりますから、その分の経費も差し引いて考えないといけないなと思っています。要するに利便性が悪い銀行だと、手続きのために往復していると、それだけで利息分のいくらかが消費されてしまうという考えです。