早期退職後の住宅ローン(2)

③ 金利の確認と借り換えの検討

 2016年現在、日銀がマイナス金利を導入した関係で、住宅ローンの利率が低くなっています。固定金利で借りたか変動金利で借りたかによっても大きく異なると思いますが、基本的に今の方が金利は低くなっているはずです。

 金利が低くなっていて、まだ残債がかなりある場合は、借り換えを検討したほうが良いです。そしてこの借り換えは早ければ早いほど効果があります。

 借り換えとは、それまでとは異なる金融機関で新たに住宅ローンを設定し、そこでお金を借りて、そのお金で現在利用している金融機関のローンの元本部分をいっぺんに返済してしまう方法です。

 ただ借り換えには両方の銀行に対して手数料が必要ですから、その経費も考慮して得かかどうかを判断する必要があります。このあたりは借り換え先の金融機関で相談すると詳しく教えてくれると思います。

 今の金融機関は優良な顧客に金を借りて欲しくてしょうがないはずなので、気分よく話を進めることができると思います。

④ 繰り上げ返済の検討

 借り換えとともに推奨したいのが繰り上げ返済です。100万単位のまとまったお金があれば、手数料は数万必要ですが、将来の利子が10万単位で減ります。

 繰り上げ返済の場合は元本が減りますので、それによって返済期間を短縮したり、返済額を減らしたりすることもできます。

 私は早期退職の可能性を予測していたので、40代後半から借り換えを行い、負担を軽くしたうえで、さらに繰り上げ返済を行い、当初70歳近くまで返済を続ける予定でしたが、57歳早期退職時に残債は300万程度になっていました。

⑤ 退職金による一括返済の検討

 以上のような方策を行い、早期退職時までにローンが完済出来ればいいわけですが、なかなかそううまくはいかないかもしれません。

 その場合は退職金で返済か、早期退職後も返済を続けるという選択肢になりますが、実際に早期退職してみて感じることは、生活費以外に毎月数万のお金が出ていくことはかなりきついということです。

 つまりできれば住宅ローンは完済し身軽になって無借金で生活を始めるという事です。ただこれも残債の総額と退職金の額を見比べて検討する必要があります。