勤労者世帯の平均支出額

 では家計簿をつけるのが面倒、若しくはそんな暇はないと思っている夫婦二人の世帯の一か月の支出額を想定する方法はないのか?

 これについては、当然個々の家計で異なるわけですが、平均額というのは分かりますので、その数値が参考になるかもしれません。

 私自身早期退職をしてから、いろいろな支出の平均額を調べる機会が増えましたが、総務省の家計調査という統計資料が、かなり参考になりました。

 というわけで、平成23年度なのでちょっと古いですが、総務省の「統計局・政策統括官・統計研修所」という部門が勤労者世帯の家計収支の平均という資料を作っています。

 さてこの統計によると、サラリーマン世帯の一ヶ月の平均収入は約51万円(たぶんボーナスも一ヶ月に均等割した額です)だそうです。

 このお金がどのように使われているかですが、51万から税金や社会保険料、預貯金、住宅ローン等を除いた額が消費支出として支出されている額になりますが、これが勤労者世帯は一か月約31万円です。 

 次が高齢者無職世帯。つまり年金暮らしをしている人たちの消費支出ですが、こちらは24万円。早期退職をして仕事がないという最悪の場合でも、通常の生活をするとこの程度の出費になると言う目安が分かると思います。

 ただしこれらの数字はレジャー費や交際費といった余計な支出も含まれています。早期退職をして家計が破たんするかどうかという事を知りたいなら、とりあえずそういった費用を除いた、最低限の生活を維持する費用を考えたほうが良いと思います。

 つまり上記の金額から教養娯楽、その他という部分の費用を引き算したらいくらになるかという事です。さらに住宅ローン等の残債がなければ、これも0円に出来ます。

 そうするとそれらを除いた高齢者無職世帯の最低限の生活費の平均額は14万ぐらいとなります。ということは、この数字の12倍が年間支出となりますので、その額は168万という結果です。

 つまり年間に168万の収入があれば、最低限の生活を維持できる可能性があるという事です。ただし実際にはそれ以外に、税金や各種保険料、車の維持費等が必要になり、これらの総計は、我が家の場合30~50万という大きな額になっています。

 しかし仮に50万として考えると、年間の支出は218万となりますので、月々18.2万円程度の収入が確保できれば、退職時の資産は減らないという事になります。

 ただしその場合、いわゆる遊興費等は0円ですから、本当に生活するだけという事になります。また長期的に見ると、家のリフォーム代(マンションの場合管理費用)や、車の買い替え、電気製品の買い替え、思わぬ病気、お墓等の準備で、大きなお金が必要になる可能性もあります。

 また場合によっては子供たちを金銭的に支援しなくてはいけないという事も考えられます。こういったことを、この先のページで少しずつ具体的にまとめていく予定です。

 というわけで、このページのまとめは、平均的な高齢者無職世帯が最低限の生活を維持するために消費するお金の平均額は14万程度だという事です。