理想の生活費は月30万?

 早期退職を真面目に考え初めてから、退職後にいくらぐらい生活費が必要なのかと言うことに関心を持つようになりました。そこで手始めに本屋さんに行き、数冊のマネー雑誌を購入したり立ち読みをしたりして調べてみました。

 すると、「夫婦で豊かな老後を送るためには」、という前提条件付きですが、ほとんどの雑誌には月30万ぐらい、という記述が見られました。

 ということは早期退職をした場合、まだ年金等の収入がありませんから、万が一働かないで豊かな生活を維持しようとすると、1年間で360万という金額が必要になると言うことです。

 だとすれば、もし55歳で早期退職をして、65歳までの10年間、こういった生活を続ければ、それだけで3600万が消費されるという事になります。

 また、早期退職ではなく、ごく普通に60歳で退職したとしても、その後5年なで1800万が消費されることになります。

 しかも、この手のシミュレーションのモデルはだいたい夫婦2人となっていて、子育てにかかる費用は含まれていません。子供がいても、この年齢ならすでに家計から独立しているという立場で書かれているものがほとんどです。

 とするとこの計算を信じるとすれば、到底早期退職なんか不可能だ、と言う結論になってしまいます。

 そこで、先ずこの前提条件となった30万の根拠について、その支出の内訳を詳細にみてみました。

 するとほとんどの雑誌の支出項目は、大まかに食費、衣料品、雑貨、医療、レジャー、保険というように分類されているだけで、個々の項目が何故その金額になるのかについて、きちんと具体的に書かれてあるものはありませんでした。

 とはいっても、そもそもすべての人にあてはまるようなモデルプランを一冊の雑誌で表現できるわけがないので、やむを得ないのかなとは思います。

 では、実際に月30万も退職後に確保できるのかとなると、「そりゃ到底無理だ」というのが大多数の人の本音ではないでしょうか。 要するに月30万というのは、私から見ればその前に「理想的には」という修飾語がつくのだと解釈しています。

 またマネー雑誌の隠された意図として、月30万必要だけど到底足りないはず。だから投資をしましょうと暗に示唆しているような書き方をしている雑誌も多いように感じました。

 従って30万はあくまで目安であって、自分や自分の家族にとっていくら必要かと言うことを、あらかじめ調べておく必要があるなと思うようになり家計簿をつけ始めたわけです。

 そうやって調べた結果、我が家の場合は交通費が激減しました。またストレスが減ったことで医療費が減り、節約を意識したことで雑費の類が減りました。食費についても、自炊が増えたぶん、支出は減りました。