この章のまとめ

1) 早期退職時点の預貯金

 銀行や証券会社に預けてあるお金です。当然ながら、この金額はかなりばらつきが大きいはずです。一般的には早期退職者を50代と考えるなら300~1000万円ぐらいではないでしょうか。

 なお早期退職時に住宅ローン等の負債があれば、それを差し引いた額を預貯金額として考えるべきだと思っています。

2) 退職金

 これもばらつきが大きいと思われます。当然ながら長い年月働いたのに退職金はナシという過酷な会社もあると思います。

一方東証1部上場企業が、会社の都合によって早期退職者を募るような場合は、勧奨退職となり、上乗せ額がありますので、これまで私がニュースで見聞きしたは範囲では3000~5000万円もらえる方もいるのではないでしょうか。

 ただ近年退職金の総額は下落傾向にあるようです。60歳という、一番基本的な年齢まで務めた場合でも1500~2000万というのが相場なのかもしれません。

3) 失業手当

すでに一度まとめていますので、改めて金額だけ掲載します。

① 会社側の都合による退職の場合

 日額:5735円で、これが新しい仕事が見つかるまで給付。ただし最長330日で打ち切り。この総額を計算すると1892550円になります。

② 自己都合による退職の場合

 日額:5735円で、最長150日。総額860250円

4) 各種補助金

 児童手当、児童扶養手当、一人親支援、医療費補助、高校授業料無償化といった制度があります。

 それぞれ細かい規定があり、該当するかどうかの判断も面倒です。自分で判断するより、市役所等に出向いて聞いてくるのが一番です。

5) 公的年金

 年金保険料をきちんと収めていれば、収めた額に該当する金額の年金が支給されます。当然加入期間が少なかったりした場合は0円という可能性もあります。

 一方40年間継続してきちんと年金保険料を納めることができた人の割合は少ないはずですし、早期退職ならなおさらです。

 では一般的に平均でいくらぐらいもらっているのか?平成25年度の数値が出ていました。ごく簡単に書くと、夫婦二人で月20万ぐらい、一人暮らしで15万ぐらいというのが平均額のようです。

6) 再就職による仕事からの収入

 全く働かない(働けない)という状況から、さらに収入が増えたという状況までいろいろあるとは思いますが、一般的には50代で早期退職をした場合、それまでの収入の4分の1から半分程度と考えたほうが無難なような気がします。

 具体的には、時給800円で8時間、25日間働いたと考えたときの金額がそれに近いはずです。すなわち、800×8×25=160000円ということです。年収に直せば192万程度という事です。

7) まとめ

 以上、細かく書いてきましたが、要するにこういった収入の総額が、寿命が尽きるまでに消費する金額の総額を上回っていれば、家計は破綻しないので、早期退職が可能になるという事です。

しかしどう計算しても収入総額の方が少なければ、何歳かの時点で家計が破たんすることになります。それを避けるためには収入を増やすか、支出を減らすかという二つの選択肢しかありません。

 というわけで、こういったことを予測するために、今後得られるであろう資産や収入についてまとめてきました。次は支出に関することです。