ついに早期退職

 3月に入り、来年度の準備等で大忙しの最中、人事異動に関する発表があり、ここでようやく私の進退が公になり、若干の驚きをもって迎えられました。

 しかしその後何らかの変化があったかというと、ほとんどありませんでした。それまでと変わらない対応をしてくれた方が多かったので、精神的に助かりました。

 公的な発表が終わり、翌年度の体勢もはっきりわかり事務の引き継ぎを少しずつ行いました。

 その頃上司からパートの仕事の話がありました。当然ながら家計の問題もありますので、条件の良いパートの仕事があればやってみようとは思っていました。(健康上フルタイムの仕事は出来ないと判断していました)

条件が悪い、またはそういった仕事が無ければ、仕事をまったくしない、または自分でなんらかのパートの仕事を探す、という選択肢もあるなと思っていました。

 ただ、やめる前後の精神的な鬱症状を考えると、社会との接点を失うと、ますますその症状が進むかもしれないなという不安が逆にあったのと、紹介された仕事の条件が比較的私の専門にあっていたので引き受けることにしました。

 収入を得る、という観点よりは、フルタイムの仕事から少しずつ仕事量を減らしつつ、早期退職の生活を充実させるというような感覚です。精神のリハビリと言っても良いかもしれません。

 3月31日が最終日でしたが、実は何の印象も残っていません。出勤し、最後の私物を整理し、お世話になった方に挨拶をして、職場を出ました。「本当にこれで良かったんだろうか?」という疑問も多少ありましたが、今更引き返せません。

 そして4月1日。この日のことははっきり覚えています。朝起きたらものすごい開放感でした。頭や肩にずっしりと乗っていた訳の分からない重みがす~っと消えた感じです。「あ~、これがストレスだったんだ」と思いました。

 と同時に「今日からフリーだ」という感覚を持ちました。同時に「ここからは職場を頼ることなく、自己責任で生活しなければならないんだ」と言う妙な決意も感じました。

 朝食を摂って、ゴミ出しのために外を出歩いたとき、周辺を出勤のために歩いていく人を見て、当たり前ですが「うわ~、みんなちゃんと働いているぞ~。俺は遊んで良いのかな?」という引け目をちょっとだけ感じました。