妻の突然の入院

 50代になり、まあなんとか家庭生活も平穏に進行し、住宅も購入。住宅ローンを払いながらも適度に旅行を楽しむこともできました。

 体調も喘息は影を潜め、アトピー性皮膚炎は40代の頃に食生活を改善したせいか、一時期好転反応に悩まされましたが、それを乗り越えてからは、特定の時期に悪化するだけとなりました。

 このままの状態が続き、私自身の体力をうまく温存出来ればなんとか60歳の定年にこぎつけられそうだと思っていました。

 ところがある日突然、専業主婦でお気楽な生活をおくっているかに思えた妻が、「体調が悪い」、と言い出しました。私が54歳で息子が中学生の時です。

 詳細な説明はここには書きませんが それ以降事態は急展開。いつも利用している地元のかかりつけの診療所でちょっと検査をしたら、翌日に「すぐに入院してください」という医師からの指示があり、すぐに我が家の近くの民間病院に緊急入院。

 検査を進めると、それまで聞いたことのない病気であることが分かり、しかもその病院では治療できる設備がないと言われてしまい、今度は自宅から30分程度の大学病院へ転院。

 そんなこんなで、予想もしていなかった急展開で、我が家は突然父子家庭状態になってしまいました。しかも単なる父子家庭ならまだしも、私の場合は通常の生活に病院の見舞いが重なります。

 その時点で、万が一長期入院になった場合は、介護のために早期退職が必要かということが頭の片隅をよぎりましたが、それではこの先の入院費用の支払いが厳しくなるだろうなという不安も感じてしました。

 何せそれまで聞いたことがない病名だったので、医療費がどのくらい必要なのか、その時点では全く不明でした。

 ただ地元の民間病院で数十万。大学病院への入院でやはり数十万があっという間に消えていき、ゆうちょ銀行の定期預金を解約したことを今も覚えています。(その後高額療養費制度により、かなりのお金が戻ってきましたが)

 一方病状は予断を許さないようで、病院に行くたびに医師からいろいろな説明を受けましたが、ともかくどんな病気なのかというイメージがさっぱりわかず、帰宅してからネットでその病気についての知識を得るという事を行っていました。